今まで私がついてきた嘘の誤解を解かないと…。


「知ってる。他校の好きな奴のことだろ?本当はいないことぐらい知ってる」


「な、んで…知ってるの?」


「見てればわかる。渚は鈍感だろ?なにか
あるんじゃないかなって…そう思ってた」


「見てればわかる、か…初めてあった時にもそんなこと言ったね…」 



幸くんは私の頭から手を離すと私の目をじっと見つめた。私も幸くんの目をじっと見つめ返す。


「悔しかったんだ。もし本当に他校に好きな奴がいたらって心の底では思ってたんだ。そしたら俺は邪魔だし…俺と話してたら渚は辛くなるだけ。

それで渚と距離置いてた…置かなかったらこんなことにはならなかったのにな…」


幸くん…何も知らないのに…全然関係ないのに…。


「謝らないで…何も知らなかった幸くんが悪いなんて誰も言ってないんだから。見ていてくれてありがとう。少しでも信じようとしてくれてありがとう。
私は幸くんがいるだけで嬉しいよ」


私は笑顔でそう言った。


「馬鹿…」


幸くんは照れる様子を見せた。
そして近くのパイプ椅子を持ってきて私の隣に座り込んで…



私にキスをした。
目の前に幸くんの顔がある。
きっと私の顔は真っ赤に染まっている。


林檎見たいに太陽のように熱く…