望と月影くんは私の病室から静かに出て行った。残ったのは結と大河だけ。


「渚…俺気づけなくて悪かった…」


「私こそごめんね…せっかく…」


ふたりで付き合って幸せになるはずだったのに…。


「渚はズルいよ…」


涙を拭いながら私の方をただじっと見つめる結。


「なんでそんなに傷だらけなのにそれでもまだ私達の心配して…謝って…なんでそんなことできるの!?」


「結…」


「私にはできないよ…私は渚の友達でいる意味がない…」  


結は腕を片手でぎゅっと握りしめていた。
私はそんな結を見て笑顔で答えた。


「結は私の友達だよ。私のほうが資格がない。すごく傷つけた」 


「そんなの…っ!」


私は結の友達でいる資格はない。

でも…もう一度…だけやり直せないかな?
きっとやり直せると思うんだ。


「また傷つけるかもしれない…また悲しませるかもしれない…綺麗事だけど…ずっとずっと友達でいてくれる?」