「....桃果は、翔太に....レイプされたんだ
よ。」
レイプ....
翔太?
誰だろうと首をかしげる俺の隣では京が目
を見開いていた。
「翔太....が、....?」
「うん。そうだよ。京の、お兄ちゃん
に、やられたから。」
お兄ちゃん....?
どういう事だよ。
京の彼女に、京の兄が、レイプ....?
「だからね、桃果は言えなかったの。」
「なんで翔太が....!?」
「あのね、続きがあるんだよ?
お兄ちゃんが好きな京。だからね、
桃果はきっと京が傷つく、そして、もしか
したら嘘つくなって疑われるかもしれな
い、って....だったら、別れてそんなこと無
かった事にしようとしてたんだよ。
でね、別れを持ち出された京は........」
唯は悲しそうに笑い、そして───
衝撃の事実だった。
京は....ハッとしたように、
「思い出したよ....全部....」
と、うつむき、涙をこぼした。
握り締めた拳にポタポタと垂れる涙。
苦しそうに、泣いた。泣いた、泣いた、泣
いた。
「俺は....なにが、したかったんだよ....」
そう、呟いた。