すると、その天使みたいな子は
近くで様子を見てた
小柄な女の子の方へ寄って行くと
俺にペコリと頭を下げて


学食へ入って行った。


俺は暫くの間そこで固まってしまい
その子の後ろ姿に見惚れていると


さっきまで一緒に学食で飯食ってた
友人が出てきて
俺の肩をガシッと触ると


「橘さんがぶつかった場所どこ?」


と言って
俺の身体をバシバシ触り始めた


そこで俺も我に返り
そいつから距離を取ると


「うるせぇ!
さわんじゃねぇーよ!」


「ええー!ずりぃよ〜!!
俺なんか話がしてみたいのに
ちっこい女の警備が強すぎて
全くチャンスがないってのに!
あんな簡単に橘さんに触って
会話まで出来るなんて!!」


「そういうとこが顔に出てるから
警戒されんだろーが!!
って、今、橘さんって言った?」


「だって、一度でいいから
話してみたいなって思うだろ?!
しかも性格も凄く良いらしいからさ〜
ん?橘さん…お前知らないの??」


「噂では聞いてたけど……」


「そう!あれが橘美佳だよ!
すげぇ美人だろう?
顔も小さくてモデルみたいに
スタイルもいいし…
声かけるのも恐れ多い容姿だけど
隣にいるちっこい
女の子と一緒にいるの見ると
穏やかそうで
本当にかわいいんだよなぁ」


と、目を細めながら話す友人を尻目に
俺は橘さんとのやりとりと感触を忘れないように頭の中に叩き込んだ。