ゆっくり唇を離すと

嬉しさの余り
喜びを顔に隠し切れなくて
笑いかけると


なんだか浮かない顔して
探るように俺の顔を見るミカ…


んんんっ？


「ん？なんだよ？
ミカ！浮かない顔して……
まさか、お前浮気してないだろうな？
ちょっと見ないうちにヤバイくらい可愛くなっちまって！
向こうでは顔隠して歩け！
って言っといただろ！」


ミカに限ってそんな事しないけど
3年ぶりのミカは驚くほどに
自分の魅力を解き放っていた。
小顔で手足が長くスタイルが良く
やや上がり気味の黒目がちの大きな瞳
透き通る程に白い肌に綺麗な赤い唇。
3年前はどことなく少女の面影があったのに、それが抜けて…
贔屓目で見なくても、その辺にいるような女のレベルではない。
男を魅了する妖女と言っても
全員信じるだろうな…ってくらいに
めちゃめちゃ垢抜けていた…


「そんな…
顔隠して歩くなんて無理だよ…
浮気？？？なんのこと？？？」


トボけた顔して首傾げてるけど
可愛すぎるだけだから！


「また！トボけやがって！
帰ってきたからには覚悟しろよ？
俺は一切引く気ねぇからな！」


堪らなく可愛くて
抱き締めると

「っんたくよ〜！
ミカはいつも電話切る時
本当は凄く寂しいのに無理してたから
俺ずっと電話すんの我慢してたんだぜ？
向こうで1人で頑張ってるのに寂しい思いさせたくねぇし
俺と話すと少しの間、寂しい思いが
募るだろ？」


俺の言葉にガバっと顔を上げると


「私はてっきり他の女の子が好きになったんだと思ってた…」

おいっ！
俺の愛なめんなよ！

「んなわけねぇだろ！！
俺は昔も今もこれからも
ミカしか考えられないし…
ミカしか好きになれない！！」


やっと俺の気持ちが伝わったのか
俺の背中に手を回すと
ギューッと顔をすり寄せるミカ…


そんなミカが可愛くて
俺も抱き締める力を強めた