ミカが父親の転勤に着いて行ってから
もう3年がたつ。


高1だった俺は高校を卒業して
大学の入学式が翌日と迫っている。


ミカとはあれ以来一度も顔を合わせていないどころか、連絡さえも途絶えてしまった。


本当は毎日でも電話をかけて
声が聞きたいのに
電話するとミカは無理して明るく振る舞うんだ。


そうなると途端に何もかも飛び出して
飛行機に飛び乗って
ミカを抱き締めに行ってしまいそうだったんだ。


毎日毎日、ミカとの想い出の場所を
何度も行ったり来たりする。


毎日毎日ミカの家の灯りがついてないか
確認しに行っては
ガックリして何軒か先の自分の
家に帰る。


俺が高2に入ってすぐ
一度だけミカの家の灯りがついて
いた事があったんだ


近所の迷惑も考えずに
ドンドンと玄関を叩くと
出てきたのはミカの親父さんで…