「なに、してんの……」

ハァハァっと、息をしながら
羽鳥に聞く。


あの子、話があったんじゃないの?

そう思ってると、羽鳥が、私の顔を見て


「………何、他の男についていってんの?」



はっ…?



「別に、いいでしょう…っ?」


私が、キッと睨みながら言うと


「よくねえよ!」

なんて怒り出す。


そ、そんなの……っ!



「好きな子に言えばいいじゃん!
嘘みたいな気持ちで言わないでよ……」



泣きそうな声で、そう言うと


「………じゃあ本気だったら
いいんだろ?」


なんて言いながら、私の唇に自分の唇を押し付ける。



「ん…っ、んんっ……」



何が起こったのかわからない私。
涙が流れてるのがわかる。




やっと、唇が離れて、肩で息をしてると
羽鳥が私の顔を見て「涙目」といった。






………そんなのっ、!





「…………あんたが好きだから
こんなキスは……嫌なの……」











唇を拭きながら、私は、そう告げ、
走って教室まで逃げた。