弁償ね。
出来るもんなら宜しくって感じだけど、ソレ...隣の家のお姉ちゃんが手作りを持ってきて、学校に持ってきたという、
レアはレアでも意味の違うレアだ。

簡単に手に入らないっつーの。


「弁償出来る確信も無いのに平気でそんな事言わない方がいいよ。」

「...なにそれ」

「弁償出来ないに一票」

「...........」

「噂通りの性格の悪さでゴメンね。じゃあ」


パンは片付けてくれるでしょう。
そう決めつけて颯爽と立ち去ろうと足を進めた。...けど、


フッ...と

小さな笑みが聞こえて

足を止めた。



「パンを弁償出来ないなら」



滝川は

さっきまでの爽やかな顔から、


「時間を弁償するよ」



ゾクッと背筋を凍らせるような、
妖しい顔で言った。