「...なんの冗談、それ」



言い終わった女の表情は
とても悔しそうで、

滝川は満足そうに笑みを浮かべている。


「...滝川くん、それは本当なの?みんなが言ってるだけで、私は滝川くんの口から聞いた事ないよ!?」


いきなり興奮立って、
滝川に問いかける女。

辛そうだ。


でも私も、柄にもなく、
滝川の返答を待っている...。




「本当だよ」




アッサリ言った。

え?今更なに言ってんの?って感じにアッサリ答えた。


............いやいやいや、


「私アンタと何の面識もありませんけどーッ!?」

「僕の片思いだよ」

「アンタに騙されないから!」

「キスも嘘だと思うの?」

「な.......ッ!!」



まさか本気だとでも言う訳!?


一瞬の戸惑いが、
黙って聞いてた女を傷付けた。

涙目で、悔しそうに走っていってしまった。