突然、滝川が私に問う。


分かってるに決まってる。
わざわざ聞こえるように悪女呼ばわりされれば、鈍感な女にだって分かるわよ。

性格の悪さ、

それは私が1番知ってるし。


「それ、私に何て言わせたいの?」

「いや、分かってない気がして」


フッと笑う滝川に少しイラッとする。


「...馬鹿にしてんの?」

「そうだよ」

「な...!」


ニッコリ笑った滝川からは
なんとも言えない黒いオーラが漂ってる。

そうだよって!

握りこぶしを作って、
いつ殴ろうかと理性と相談する。


「櫻井さんはさ、」

「まだ言うか!」

「ドが付く鈍感だね」

「.....は?」


鈍感にドを付けたらド鈍感。

ド鈍感って、

言葉として成り立つ?



困惑していると、
滝川は女に問う。


「ねぇ、教えてあげなよ」

「でも...」

「ほら」



......なにが?
2人のやり取りが実に違和感だらけ。




「櫻井さんは、」


女がゆっくり、嫌々、喋りだす。


「悪女って呼ばれてて、東の闇です。滝川くんは王子様で、西の光なんです。正反対なんです。それが1つの理由で、」


東の闇って
そーゆう事か。


「滝川くんの、好きな人...で有名です」













........は?