「王子の仮面を被った悪魔だ」

「違うよ?僕は櫻井さんに弁償をしているだけだよ」


あ、僕に戻った。


「弁償?ふざけた事を...」

「櫻井さんが暇そうにしてるこの時間を、僕が変えてあげるって」

「暇そう!?なにを...」


言いかけて、気付く。


暇そうにしてるこの時間って...


私がコイツに会ったのって、この前が初めてのはず。あれから来てないのに、
なんで暇そうって...。


「...ストーカーでしょうか?」

「人聞き悪いなぁ、何それ」

「違うのか。」


どうも胡散臭い。
ハンカチで一生懸命と口を拭いて、
気を取り直してお弁当に向かい直った。


「アンタはご飯食べたの?」

「まだだよ」

「じゃあコレあげるから教室戻りなよ」


食後のパンを渡して、
居なくなるよう催促した。