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あれから2日。

「ハァ?」
とだけ返して今度は本当に立ち去った。

あれから、

一度も見かけない。

同じ学年だとは思う。
1組と言ってたけど、うちは5組。
1番離れてるクラスだと、こうも会わないものなんだ。


ただ、


奴が有名人だという事は分かった。



「直樹と抱き合ってたってー」

「アヤから奪ったって聞いた。さすが悪女だよね。」

「直樹くん騙されてんだよ」


色んな人が、色んな噂をしてる。
凄いなぁ女って。
ある事ない事、どんだけ盛るんだよってね。


「ねぇ佐々木さん、滝川って知ってる?」

「...存じてます。」


きっと佐々木さんも知らないタチだと思った自分が、少し恥ずかしくなった。

みんな知ってるんだ...。


「なんか...クセのある奴だよね」


世間話のように軽く言ったつもりだったけど、

佐々木さんは驚いた顔をした。


「櫻井さん、本当に性格歪んでますね」

「よく言われる」

「滝川くんは王子様です」

「は?」


顔を真っ赤に染める佐々木さんは、私が思ってる以上に滝川ファンだった。


「よく少女漫画でドS王子いるじゃないですか。滝川くんは違います、理想の王子です!」


うわ、めっちゃ興奮してるよ。
しかも少女漫画か。

残念だけど違うよ、佐々木さん。
滝川は...同じニオイがする。

奴はくせ者のニオイがする!