今でも海を見ると少しだけ思い出す。


あの日、
朝日を見て涙を流した君を。







『わあー…!海ー!きれぇー!!』


あたしは海を見た瞬間、小さな子供のようにはしゃいで、海まで駆け出してしまった。


後ろを振り返ったら、鷹巳は呆れたように笑っていた。


我に帰り、恥ずかしくなった。
馬鹿みたいにはしゃいじゃった…//

慌てて、
『ひ、久しぶりだから…っ!』
とごまかしてみたけど、逆に更に笑われた。



『…う、海が…好きなのぉ!』

もう諦めて正直に白状すると、

『…奇遇だな』と帰ってくる。


思わず、えっ…と驚く。
なんだか不似合いに思えたから。

でも海を眺めてタバコを吸う鷹巳は、とても綺麗だった。