胸の奥がじりじりと熱い。
心配して…くれるの?


あたしはぼーぅと浮ついた目で鷹巳を見ていた。


すると今度は掴まれた腕を更に引かれて、抱きしめられた。
わっ…とまたこけそうになったけど、今度は鷹巳の腕の中にすっぽり収まる。


『…チッ、場所変えとけば良かった…』


訳が分からず戸惑っているあたしをしっかりと強く抱きしめる。


『…さっさとここ離れるぞ』

ほんの少しの時間が経って、鷹巳がそう呟くと、あたしは離された。


もう少し浸っていたかった…
そんな名残りを払って鷹巳の後についてバイクに跨がる。