会えるのはいつも昼間だけで。
夜…ふとした時に声が聞きたくなって電話を掛けても、いつも繋がらない。
『おかけになった電話番号は、電源が入っていないか、電波の届かないところに…』
毎回そこら辺で電源を切る。
繋がらないケータイを見つめながら、虚しさが心に溜まって、抱き枕をぎゅっと抱えながら鷹巳の事を考えて、会いたい衝動を鎮めて寝付いていた。
それが…
『で、出れるーっ!!』
向こうから誘ってくれた…。
だからその日は明日のことで頭が一杯でいつもより、より一層胸が高鳴ってドキドキしていた。
今日が正真正銘付き合って初めての夜のデートだった。
なんで誘われたのか、
どこに行くとかはわからないけど…
そんなものはどっちでもいい。
今日はいつもよりもっと気合いを入れて、服装を選んだ。
また30分前…
空を見上げた。