目を開けるとそこは、白い天井。
目の前には、ピンクの服を着たナースさん。
「気がついた?大丈夫?」
「私は、大丈夫です。紫苑は?」
聞くのが怖かったのに、思わず聞いてしまう私。
「紫苑?さっきの男の子の事?」
「はい。」
私は、しっかり意識を保った。
「残念なんだけど。今さっき亡くなったわ。」
私の目からは、どんどん涙が、あふれだす。
「泣いてもいい。思う存分泣いたらいいわ。あなたの恋人なんでしょ。樹音さん。」
「どうして?」
「だって、2人とも。『樹音』『紫苑』って寝言で言ってたもの。これはどう見ても恋人同士じゃない。」
「そんなこと言ってたんだ。私。」
「今は、いいの。思う存分泣いちゃえ。それで、私に、聞いてほしいことがあれば言って!私で良ければいつでも聞くから。ご両親に連絡しなきゃね。」
「待って!私には、親がいません。昨日、私達をおいてどっかに行ってしまって。多分、もう帰って来ないと…思います。」
「そうだったの。今話す?それとも、あとがいい?」
「今、スッキリしたいです。」
「わかった。話したくないことは、話さなくていいからね。」