今からちょうど1年ほど前。 立派なお屋敷から私は、不幸という谷底へ突き落とされた。 育ちの良かった私。お父さんの会社が倒産。今までは元気だったおばあちゃん達もなくなった。そのショックでか、お父さんとお母さんは私達、三人の子供を残して、夜逃げした。 唯一、私のそばから離れなかったのは、紫苑(しおん)。会社が倒産しても、別れもせずになぐされめくれた私の恋人。 この頃から、運命の糸は狂い始めていたのかもしれない。