「ん・・・?」
泣きはらした目がこちらを見つめる。
「おじいちゃんね、笑ってたよ。」
そう、笑っていた。
昨日の夜、最後、私が病室を発とうとした時、おじいちゃんは確かに笑った。孫の私に。
そしてそれは同時に、娘であるママへ笑みでもあったんだ。
おじいちゃんはママが大好きだったんだ。
孫の私、ママに似ている私。あの笑みは、愛しさにあふれていた。
ママは少し驚いた顔をしたが、私の言葉にやさしく目を細めた。その顔は笑ったおじいちゃんにそっくりだった。
「お父さん、最期に大切なあなたに会えて、とっても幸せだったわ。」