ふと、ポケットに手を入れる。
がさっと何かに触れる。
取り出してみると、それは昨日の写真だった。そうだ、さっきは急いで家を出てきたので、咄嗟に昨日と同じ服を着てしまっていたのだ。
写真をじっと見ていると、ママも覗き込んで写真を見た。
「それ・・・・おじいちゃんのやつよね。この赤いお着物着た写真・・・昔のママにそっくりだわ、目が細くてやんちゃそうなところ。ママがまだかわいげがあった時代ね。」
ママは半分泣きながら笑った。
そうなんだ。
これ、ママに似てるんだ。
それをおじいちゃんはあんなに大切に持っていのだ。
そうか、そういうことだったんだね。
私は写真をおじいちゃんの組まれた手の上に乗せた。
「ママ。」