「超大前提だからな、それ。見つかったら大惨事だよ」
しゅんとした彼女。
わかってなかったのか…
「今度からは気を付けます」
「そこはもう止めますだろ!?」
「どうしてですか?」
…もういいや。
無言になった彼女はにっこりと笑った。
叱るつもりが…体力を削られただけだった。
「あ、授業始まってしまいますね…では、お先です」
スチャ、と手を挙げた彼女は、楽しそうにスキップしていった。
…行動に出やすいんだな。
そういえば、彼女のことを何も知らない…
まず彼女は誰なんだ。
名前も知らないし、本当にここの生徒なのかも不明だし。
今まで見かけたことがない。
彼女がここの学校だとわかるのは、制服と「授業始まってしまいますね」という言葉のみ。