「邪魔はしてません。だから迷惑にはなってないと思うんですが」
もし迷惑だったら申し訳ないとは思っているらしく、眉が下がっていた。
常識はあるらしい…よかった。
「確かに邪魔されたわけじゃないけど…」
ホッとしたのか胸に手を当てていた。
いきなり乙女になられても、反応に困るんだけどさ…
いや、女子は女子だけどさ。
今まで女子として見れる要素がなかったというか…
おれは誰に言い訳をしてるんだか。
「怖いから、まじで」
「そうでしょうか?」
どこが悪かったのか考えているようだ。
ついでに全てが異常ってことを理解して欲しいんだが。
これは切実過ぎる願いだ。
「あなたには気付かれていても相手には見られていませんでした」
私やりました!とでも言わんばかりにガッツポーズの彼女。
これは「よくやった」とでも言ってやるべきなんだろうか…
いやいや、親じゃあるまいし。
どうしておれはこいつに甘くなってしまうんだ…
オカン街道まっしぐらじゃんか…