「では、伝えたかったことは伝えたので」



くるりと振り返っていなくなってしまった。


引き止める時間も与えてくれなかった…

スッキリした顔しやがって。



おれは悩みが増えたよコノヤローーー!!



これからはストーカー視線に耐えなきゃいけないってのか。


神様はおれに冷たすぎる。




「あ、結城くん」


「先生」



ふてくされながら歩いていると、曲がり角で先生にぶつかった。



まずいと感じて一歩下がると、相手は何故か寄ってきた。



「また授業サボり?」


こらこら、と肘でつついてくる。


「なわけないでしょ。今から戻りますよ」



お節介ババァ、と呟いてみると、けっこうな勢いでぶん殴られた。


力つえーな、ばばぁのくせに。



軽く話して別の方向に別れた。



チラッと見た窓の向こうには彼女がいた…