それほど遠い距離じゃないので、二人の会話が聞こえてくる。


「文字が彫れるまで、まだ時間がかかりそうなの‥‥‥」

「そうなんだ。じゃあ適当に時間潰そうか」


そう言いながら、二人は会話を続ける。


「そう言えば文字。なんて彫ってもらうの?」

「えへへっ! ナイショ〜!
渡す時まではヒミツだよ〜」


それを聞いた優太は、不満気な顔をした。


「すっごく、気になるんだけど」

「ダーメ! ナイショ!」


二人は楽しそうに話しながら、どこかへと歩いて行く。

二人とも美男美女で、端から見ると、とてもお似合いのカップル‥‥‥。