「……あ、いたの、アイ」





優しい声が聞こえて、そっと目を開けた。


そこには、少し驚いたような様子のカバンを持ったレンがいて。





「……今の、聞こえた?」



「……ううん」



「そっか」



「……帰ろ」







────嘘、ついちゃった。





靴箱からパタンと靴を取り出すと、地面に置く。