今日やっと退院できる。
ここの病院の人は大袈裟だ腕を銃弾で打たれたくらいで半月も入院させるし、リハビリさせられるし…。

もう病院はこりごりだ。

「入るぞ。」

病室に入ってから入るぞといった、赤っぽい茶髪の男がベットの脇の椅子に腰をかけた。

「この前話してた女の子いるだろ、
姫にした。」

「そうか…。元気だったか?」

ふと俺はそう言葉に出していた。
最初こいつから、あいつの名前が出た時びっくりした。

『お前と同じ苗字の女に出会ってさ、すごい素直でいい子だった。
でも、なんか闇抱えてんだよね。

救いたい…。』

同じ苗字?
まさかな…。って思ってた。

『そいつの名前は?』

そう聞くと。

『赤塚愛華だ。今度連れてくるか?
前髪で顔隠してるし、喋ることに抵抗を感じてるっぽい』


アカツカアイカ…。

俺はそいつを知ってる。

だって、そいつが顔を隠すのも喋ることに抵抗を感じてるのもきっと俺が原因だから…。