ー白雪 斗愛sideー
「あ??なんだよ。
休日の朝早くに」
電話越しの男に問い立ててみる。
朝早くに電話をかけてきたと思えば、結婚式とは…。
電話の相手は蓮司だ。
愛華と蓮司が籍を入れてかれこれ、2年は経った。
「周りも落ち着いたし、金も溜まったからよ。
愛華にはウエディングドレス着せてぇんだ」
朝から惚気を聞かされるこっちの身にもなれよ…。
「好きにすりゃあ良いんじゃねぇの?。」
「そこでさ翔とかに連絡してもらえねぇかな??」
「は!?!
なんで!?意味わかんねぇ!
招待状とか送らなかったのかよ」
電話越しに『いや〜その〜』とゴモゴモしていてイライラした俺は、禁煙しようとしていたタバコを咥え火をつける。
「愛華に俺に任せろとか言ってたんだけどな?
小説の〆切がギリギリで送れなかったんだよ!
んでもって、まだ小説書き終えてないから机から離れられねぇわけ。
目の前に怖い編集部の方もいるしよ…うげっ!睨むなよ!」
あの頃の蓮司の面影が全くなく、最近は愛華に似てきて、柔らかくなったと思っていたら。
それ以上に蓮司はおっちょこちょい?とやになったようだ…。
まぁ、愛華と蓮司の結婚式のことだから仕方ねぇな。
「分かったわ。
俺らの代だけで良いのか?」
「あ!蓮司ありがとよ!
次の代の幹部たちもよろしく。
招待状は俺の家まで取りに来てくれねぇか?」
「あー、昼ごろ行くわ」
蓮司との電話を切り、俺わため息をつく。
今となっては愛華には恋愛感情は全くない。
大切な元仲間であって、大切な友達として今でも付き合いがある。
「…ったく…。せっかくの休日が潰れたわ…」
高校を卒業し、専門学校へ行き俺は今パティシエをやっている。
結婚式のケーキのデザインなど頼まれてたが、招待状を渡しまでパシられるとは…。
まぁ、蓮司も愛華も今じゃ、売れっ子だもんなぁ。