「うっ…」
ズキンっという頭痛が私を襲い私はその場に座り込んだ。
頭が痛い。
これが私が忘れていた記憶…?
たくさん傷ついて、たくさん傷つけた。
たくさん救われたし、たくさん笑顔にしてもらった。
私は、記憶を失う前に思ったことがあったんだ。
生まれてよかった。。って
皆に出会えてよかった。って
そして、蓮司の事が好きってこと。
何でこんな大事なことを忘れてたんだろう。
私はまだ少し痛む頭をおさえながら、立ち上がった。
フラついたところを蓮司が抱きとめてくれた。
「蓮司…思い出したよ…。
蓮司…ごめんね。
そして、ありがとう。」
「愛華…」
「蓮司はいつも私を守ってくれた。
蓮司に裏切られたって思ってた時もね?
ずっと蓮司のことが好きって思いが消えなかったの…。」
蓮司の瞳からは涙が溢れた。
そして、しっかりとキツく私を確かめるように抱きしめてくれた。