真っ暗な部屋の一角に座った。
窓からは月の光が差し込んでいる。
「貴方と出会えてよかった、本当の自分に出会えた。本当愛を知れた。貴方に愛の華を捧げるよ」
昔、お母さんが歌っていた曲を口ずさんでみた。
この曲はお母さんが、お父さんへ歌った曲だそうだ。
「愛華ちゃん、綺麗な声だね。」
声がし、後ろを向くと流喜が立っていた。
「このことはっ!」
「大丈夫だよ、秘密ね。
愛華ちゃんも過去に色々あったんでしょ?
いつか話してくれると嬉しいな。」
流喜の優しい言葉に私は涙が溢れた。
「え!?ごめん!泣かせるつもりじゃ!」
私は首を振った。
そして、私は誰にも見せないと決めたあの日以来、誰にも見てなかった私の目を、流喜に見せようと決めた。
「流喜…怖がらないで…ね…」
そう言い私は前髪を上げた。
「愛華…その目…」
私の左目は水色だ。
流喜には水色の瞳が月明かりで光って見えた。
「お父さんがハーフで、左目だけが水色なんだ…。気持ち悪い…よね…」
「綺麗だよ。」