しばらく走ると海についた。

「海だ…懐かしいね。」

「だな、愛華大丈夫か?」

郁人が心配した目で見てくる。
海を見るとあの人記憶が蘇る。
何回も名前を呼んでも反応がない両親…真っ赤に染まった両親の体。

そこらじゅうに飛び散った真っ赤な液体。

泣いて両親に駆け寄る郁人。


「郁人…」

私の目からは自然と涙が溢れた。