だから、後悔はしてない。
優と心ちゃんの、合言葉だった。
優は、1度心優ちゃんを産むことに反対した。
心を、失いたくないって。
心ちゃんは、それでもみひろを産みたいって、
堂々と答えた…ーーー。
…心ちゃんの写真の前で、みんなで手を合わせる。
それぞれに、心の中で心ちゃんへ語りかけながら。
少し切ない、だけど温かいクリスマスパーティーが終盤を迎える。
「はい、柚菜。プレゼントだよ」
「わっ…これ、あたしがずっと欲しいって言ってた…」
柚菜には、ずっと欲しがっていた有名ブランドの香水を。
「はい、えま」
「うお〜っ!これ、お守りにするし!ありがとな」
笑真には、美容師ってシャンプーとかするから実習でも練習してると聞いて、ハンドクリームを。
「はい、みひろちゃんもどうぞ〜」
小さな絵本と、真っ白でふわふわなうさぎのぬいぐるみを心優ちゃんの手に近づけた。
心優ちゃんは、きゅ…とぬいぐるみを握って、ほわほわとした表情を浮かべる。
「よかったぁ、気に入ってくれたみたいで」
優が心優ちゃんのぷにぷにしたほっぺたを指で撫でて、微笑みかける。