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もうすぐで私たち学生にとっては神さま的存在の夏休み。
暑くて眠れなかったのでリビングで水を飲んでいた夜のこと。
ガチャ、とリビングの扉が開く音が聞こえて後ろを振り返って扉を見てみると、
ダークブラウンの髪が寝癖でいろんなところに跳ねている四季がいた。
「んだよ」
ジー、と見ていた私が気に食わなかったのか眉を潜めてそう言い、私の横で水を飲んだ。
「え、いや? なんでもないよ」
……うそです。なんでもないことありません。
よ、よよよよ横に来ないでよ!
ドキドキバクバクしちゃうじゃん!
……なんて、心の声が聞こえるわけもなく、四季は前髪を後ろに流した。
その流す姿はなんといっても色っぽい。