「で、雨宮。どうする?」



私の予想。

これまでのこと全部若宮 四季の計算なんじゃないかと思うんだ。


わざとしのに『帰ろう』と言ったのも
そして長倉がわざと私にしのがリンチされていることを言ったのも。

ーー全部、全部。



「……あんたたち、最低よね。
全部、全部、計算なんでしょ?

しのに嫌がらせを仕向けたのも」



冷たい視線で、冷たい声でそう言うと若宮 四季は口角を上げた。



「さすが、雨宮。勘がいいな」



コイツっ……! なにが『一途』だ!
しののことを道具と利用しやがって!



「あんた、しのが嫌がらせ受けてたのを平然とみてたの!?」


「ああ」



声を荒げて問いかけると『当たり前だろ』といった顔で返事をする若宮 四季。


……腹が立つ。


ぐっ、と拳をつくって下唇を噛んだ。



しのの好きなひとなんだ、コイツが。

知ってる。知ってるけど、
チクリ、と痛む胸を気づかないフリをした。



「あんた、ほんと最低」


「お前、忍のことなめてんのか?」