私は「失礼」と言い、ソファに座った。
「雨宮 楓。 お前、何をしてる」
私がソファを座ったと同時に口を開く若宮 四季。
あら、随分と簡潔に言うのね。
私はクスリと笑みを浮かべて「なにが?」と言う。
するといたずらっ子のような笑顔を見せる若宮 四季。
「中学生のときお前は“最強の不良”だと言われるほど強かったんだろ?」
“最強の不良”
かつて、私……いや、俺が言われ続けた言葉。
あのときは荒れていた。……誰もが止められないほど。
「そうね。確かに私は“最強の不良”と言われるほど強かったわ」
だけど、中学3年の冬。
俺が私に変わったのはそのときだ。