「あっれー? 同じクラスの雨宮ちゃんじゃーん! どうしたの?」



ほんまに美術室だったのかと疑いたくなるほどまるで家の部屋のような感じ。


机やソファ、テレビだってある。


そしてそのソファに座っている男がふたり。

私に声をかけたゆる〜くてチャラい長倉と長倉の横で腕を組みながらジッと私を見つめる若宮 四季。



「てか、よく入れたね? 扉のところにふたりいたでしょ?」



まるで私が来るのをわかっていたような口調。

……この長倉は何を企んでいる?



「あら? そうだったかしら?

ごめんなさーい、覚えてないわ」



頬に手を当て、わざとらしく言ってみる。

すると、若宮 四季はくい、と口角を上げた。



「まあ、座れ」



若宮 四季と長倉が座っているソファの机を挟んで真向かいにあるソファを顎でさしながらそういう若宮 四季。