不意に聞こえた聞きなれた声。
あれは……、やっぱり。
私は走ってその場に近寄り、男たちに絡まれている女の子ーー紅羽の腕を引っ張り抱き寄せた。
「んだよ、お前!」
「なに?お前も仲間に入れてほしーの?」
ニヤニヤ、と気持ち悪い笑みを浮かべるコイツらに吐き気がする。
………なにが、仲間だ。くだらねえことしやがって。
「あら? 私も仲間に入れてくれるの?」
「もちろん。こんな美人がくると思わなかったなあ〜」
美人、ね?
私が男だって知らないということは他学年。2年はみんな私が男だとわかっていて、そして喧嘩ができることも知ってる。
コイツら、3年だ。