「だ、だけどほら! 無傷だし、大丈夫!」


そう言って私を安心させようと笑うしの。


すっごく腹立つ。


私は鋭くしのを睨みながらもしのの頭をポン、と優しく撫でた。

……顔とやることが一致してないけど、しょうがない。


私はあることを決意して席を立った。



「しの、私ちょっとトイレ」


「おっけー! いってら〜」



朝のSHRが始まるまで後、数分。

アイツはきてるに決まってる。


しのが毎朝起こしてるって言ってたし。



アイツが入る場所は確か……旧美術室だったっけな、なんてぼんやり思いながら廊下を歩いていると。



「な、なにするんですか…!?」