「てめえっ〜、きえろ!」
な、ななななんて物騒な!
『きえろ』なんて言われたことも言ったこともないっすよ!
なんて、心の中でふざけながらも頭や体は冷静にパンダたちからのパンチや蹴りを避ける。
パンダたちはきっとレディースか何かだろう。
殴りや蹴りがまともに当たったらひとたまりもない。
……だけど、私を甘く見ないで。
そこらへんの弱い女じゃないの。
「コイツっ…!」
「ケンカできんのか!?」
「くそッ…!」
ところどころきこえる声に私はフッ、と口角が上がる。
いまになって空手や格闘技をやっていてよかった、と心から思った。
……だけど、避けるのももう限界。
私は目の前にいるリーダー格の女の鳩尾に膝の蹴りを入れた。