『そんなに俺にキスしてほしいか?』



「なんでやねんっ!!」



思わず出た関西弁に私はハッとする。


まてまてまてまて。
今朝の話は私の頭の中だけで行(おこな)っていてあまと紅羽には伝わっていない。


と、いうことは、だ。


あまと紅羽にとっちゃあ私がいきなり叫んだことになっている!

現にあまの顔が“こいつの頭イカれてんじゃねえの?”って物語ってる!


大丈夫でえす! 私の頭はイカれてませーん!


なんて、あまに届くわけもなく、



「今日の放課後、病気行く?

私も紅羽も付いて行くから、さ?」



本気に心配されました。



「違うんだって! 私は今、ふたりに今朝の話をしようとしてたの!」


私の頭はいたって普通だ!
THE・平凡頭!


「そ、そう」



私の顔が酷かったのかあまは少し引いた顔で私を見つめる。

やーめーてー! 地味に傷つくからあ!