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「あんた、大丈夫なの?」
3時間目と4時間目の間の休み時間。
前の席に紅羽、後ろの席にあま、と見事ふたりに挟まれた私の席に集まる可愛い紅羽と美人なあま。
あまの突然の言葉に私は「あぇ?」と呑気な声が出る。
「だーかーら! 同居!」
いきなり“同居”の単語を出すあまに私は「ブッ」とはいた。
もし、お茶とか飲んでいたら漫画のように綺麗に吹き出しただろう。
「それ、私も思ってた! 大丈夫なの?」
だ、大丈夫ってなにが!?
ふたりだけの同居じゃないし大丈夫もなにも、…何もないよ!
と、言いたいところだが“何もない”わけでもない。
今朝のことだ。
早く目を覚める私は四季を起こす係。
ちょうど1週間経った今日。毎日毎日、四季を起こす。
四季の部屋の扉に3回ほどノックをする。
………ちなみに、私の部屋は四季の部屋の隣だ。 父母息子の3人暮らしじゃひとつ部屋が余るらしい。
そこを図々しく私が使っている。
隣に四季がいると、と思うとドキドキしていたのは初日だけ。
今ではもう平気になってきた。
ーーコンコンコンッ
『四季〜 忍ちゃんのモーニングコールだよ〜』
毎朝毎朝言っているが四季に届いたことがあるのかな? このセリフ。
と、まあ、そんなことはどうでも良くて。