そう思って、横にいるお父さんをキッ、と睨むがお父さんはお母さんに夢中で気付かない。
お父さんのバーカ。と心の中で毒を吐いてお母さんが作ってくれた朝食に箸をつけた。
うーーん、おいしい!
娘の私が言うのはあれだがお母さんの料理は文句無しに上手い。
“ほっぺが落ちる”とはこのことだ。
箸が止まらなくてばくばく食べる私を横目でみながらお父さんは話しかけてきた。
「忍。 学校は楽しいか?」
……いっつも思う。
和食……イコール白ごはんにコーヒーを飲むお父さんはバカなんかじゃないかって。
「うん、楽しいよ学校。
紅羽(くう)もいるしあまもいるし」
紅羽とあまは私のお友だち……ううん、大親友。
紅羽は中学校から同じであまは高校からの友だちだ。