「忍」


私のことを“忍”って呼ぶのは極わずか。

ずっと親友の紅羽でさえも私のことを“しのちゃん”と呼んでいる。


べつに忍って呼んでほしくないわけじゃない。だけど、女の子の名前より男の子の名前の“忍”


最初は嫌だった。だけど四季が私のことを優しく“忍”って呼んでくれたからいまでは大切な名前。



「好きだよ、忍。すっげえ好き。

これからもずっと」




私も。よぼよぼのおばあちゃんになってもあなただけを愛します。



……いまは言えないから、

また、いつか、ね?







*END*