「ほんとにい〜?」


「ほんと、ほんと」



…ほんとじゃないけどね。
しのが好きだけどね。

なんて、言えっこない。



「そっか… もし、あまに好きな人が出来たら私にいちばんに教えてね!」



そういって無邪気に笑うしのを見て、
切なくなった。



「ほら、はやくいくぞ。

もしかしたら煇と高月来てるかもしれねえぞ」


高月とは紅羽のこと。

紅羽のことになると目がないのはしのの特徴。


「はやく帰ろう! 天使が待ってる!」なんて言ってる。