「はやく四季の家に行こう。暑くて溶けちゃいそうだわ」
「ああ。そうだな」
肩甲骨までの長さですこしベタつく髪を手の腹で払う。
……カツラだから余計に気持ち悪いな。
四季と私は歩き出すがしのがなかなか歩き出さない。
「しのー?」
なんでショック受けたような顔をしてんのよ。このバカは。
トントン、と肩を叩くと驚いた様子で私をみるしの。ええ、なによ?
「禁断の恋?」
「………は?」
「あまと四季ってまさか付き合ってるの!? ええ!それなら四季浮気だよ! 最低だよー!!」
このバカはなにを言っているのだろうか。