しのとの電話を切り、
着替えるためにクローゼットを開けた。



「女装… だよな」



右のほうは女の服。
左のほうは男の服に分かれている。

すこしためらってワンピースを手にしてパジャマから着替える。


そして、洗面所にきてしのも紅羽も知らない男の姿をウィッグで封印する。


四季は昔の私を知っているって言ってたから男の姿を知っている。

それはきっと、煇も、だ。


歯磨きして、いつも通りにメイクをする。