「ま、前っていつよ!」


「たしか…… 幼稚園児のとき?」


「は、……はあ?」



幼稚園児のときなんて覚えてるわけない!


私は小学2年生からの記憶いっさいないんだもん! 別に交通事故とかそんなんじゃなくて、

ただ、バカだから覚えてないだけ。



「てか、はやく行くぞ。

約束の時間、過ぎんぞ」


「ちょ、ちょっとまってよ! ファーストキスの件、まだ終わってないんだから!」



私を置いて玄関に向かう四季を追いかける。


すると途中で止まって四季の背中に思いっきり当たった。