私の顔の熱なんて水の入ったヤカンを置いたら沸とうする。

まあ、100%の確率で無理だけど例えるならだ。



「と、とりあえず、早く用意してよね!

四季って鈍いんだから!」


「はいはい」



私の説教を軽くあしらう四季。

『はいはい』って! 『はい』は一回じゃ! ボケ!


四季の部屋から出て、バタンッ、とわざとらしく音を立てながら四季の部屋の扉を閉めた。


ちなみに私の用意はオッケーだ。

いまから出る、と言われても全然行けるほど。


まあ、約束の時間まであと30分。

四季の家から約束の場所まで5分もかからないほど近い。