俺が此処で過ごしている自覚をもったのが3年前
つまり三歳の頃から既にこの忌まわしき地下牢へと入れられていたわけだ
三年もの間一度も鉄製の扉が開いていなかったことを今でも覚えている

しかし今こうやって格子の外で父とは言えない、ただ人間として最低な屑が

「外にでろ」

何てメイレイしているので本当にそうなのだろう
滅多に動かなかったせいか足が動かない

骨がきちんと作られていなかったらしい

そうさせたのは屑なのにその自覚がなく遅いことで苛つくのは頭が俺より低脳だからか?

そんな思考を遮ったのは灰色でしかなかった世界がいろんな色を写したからだった

赤、金、金、赤、金…

此処の屑は偉い人だったのか?

こんなのなら世も末だなと思ってしまうのは言うまでもない