案ずるより産むが易し
物事は案外簡単にできるもの―
『仲間にもなりたくねーよ、』
かっこいい!!!!!!とそう言う彼が言う一瞬で、ときめき、本心を零す私、佐伯瓜(さえきうり)は初恋がどんなに辛いことも知らなかった。
いや、知っていたけれど強いて言うならば単純だった。
まだ保育園の頃で、入ってから一目惚れしたのは嘘ではない。
こいつを欲しいとは思ってもいない。
けど私にとってはそれが生きる糧となって毎日通い続けたく思い、片想いを抱き彼の隣を奪う。
だがその日は偉い事に、7月7日七夕だから行事は夜でパーティーのように行われていた。
お母さんと一緒にくっついている私は、
お母さんの話してる隙に彼の所に向かって
「ねえねえ、たっくんって私のこと好き?」
『……』
「たっくんっていつも外で遊んでるよね!?私も入れてよ!今度!いいでしょ?私だっておんなじ組でしょ?」
いつもいれてくれない遊びに私はおねだりするものの、
『嫌だよ…、お前なんか』
そう、言われてしまっていた。
「ちぇ、けちー」
だけどこれがどうなるかなんてしらずに私は拗ねながら彼にくっつく。