再び視線を戻すと彼女を掴んでいた男が宙を舞っていたのだ。
そのあとは一瞬だった。
海老ぞりで宙を舞う男の足を掴み地面に叩きつけ、背面の男に振り向きざまにラリアットを叩き込む彼女。
左右の男には一発ずつ拳を見舞い昇天させたのである。
まるで映画のアクションシーンさながら
彼女の動きは反撃さえ一切許さない
『……まじかよ』
胸の高鳴りと何とも言えない高揚感、だがそれに反比例して体の方はというと、口を半開きにして呆然と見てることしかできなかった。
ふいに此方を見た彼女の
暗い朱色の瞳は、薄く、しかし鋭く光っていた