「暁闇の月」
名刺が示した場所はここだ。
ノックをしようとした矢先に扉が開いた。
『きゃっ!』
「おおっ!」
───ドタドタ
まぶたを包むマシュマロのような弾力…
(こ、これは……お、おぱいなのか!?)
「ふぁの、いき…できな…」
言葉に反応したのか唐突に
彼女の足が僕の股を滑り抜ける
「ふぉっふ!ふぉぉぉ!!」
『あわわわっごごごごめんなさいっ!』
覆い被さっていた彼女はひょいと飛び起きて頬を真っ赤に赤らめてもじもじしていた。
茶色の瞳と髪がきれいな可愛い子だった。
『ごめんなさい!あの…八宵さんにご用ですか??』
「そ、そそうなんだよね!ここでいいのかな?」
いまのことで頭がいっぱいになっていた俺は早口になっていた。
『えっと、八宵さんはいま出先で暫くは戻ってこれないと思うの。良かったら中で待っててもらえますか?』
「じゃあお言葉に甘えて。」
『入って』